ストレートチップってどんな靴?定義や種類、おすすめモデルもご紹介

フォーマルな革靴の代表選手とも言える「ストレートチップ」。あまり詳しくない方でも、「あぁ、あのつま先に線の入ったあの靴ね」とイメージできるのではないでしょうか?
フォーマルで格式が高いとされているストレートチップですが、実はデザインにいくつかのバリエーションがあることはあまり知られていないかもしれません。そこでこの記事では、ストレートチップの特徴やバリエーション、ふさわしいシーンやおすすめモデルをご紹介します。
ストレートチップってどんな靴?

まず、ストレートチップの特徴や種類についてみていきましょう。
ストレートチップはつま先に一直線のラインが入ったデザインのこと
ストレートチップとは、つま先部分に一直線の切り替えラインが入ったデザインのこと。キャップを被せたように見えることから『キャップトゥ』と呼ばれたり、日本では『一文字(いちもんじ)』という名称で呼ばれることもあります。
つま先部分にシワがつきにくく美観を保ちやすいという特徴があり、フォーマルなドレスシューズとして広く知られる存在。
ポイントは、ストレートチップとは革靴のデザイン全体を指す言葉ではなく、つま先のデザインを指す言葉だということ。革靴は甲のデザインや装飾にも特徴がありますが、つま先に一直線のラインが入ったものはすべて「ストレートチップ」です。

革靴のつま先デザインには、ストレートチップ以外にも、切り返しのないプレーントゥやW字型になったウイングチップ、U字型のUチップなどがあります。
甲のデザインは、内羽根や外羽根、モンクストラップなど。その他にもパンチングで開けられた穴飾りであるブローグやメダリオンなどの装飾があります。
ストレートチップにも種類がある
ストレートチップ=フォーマルというイメージがあるかもしれませんが、つま先以外のデザインとの組み合わせによっては必ずしもフォーマルとは限りません。
代表的な組み合わせの例を見てみましょう。
ストレートチップ×内羽根

ストレートチップの革靴で一番ポピュラーなデザインが、ストレートチップ×内羽根の組み合わせ。一般的に「ストレートチップの革靴」と言ったら「ストレートチップ×内羽根」のデザインを指します。ルーツは英国王室の宮廷靴で、ヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公が好んだ、スコットランド王室御用邸バルモラル城にちなんでバルモラルとも呼ばれていました。
外羽根と内羽根の違いは、羽根部分が縫いつけられている位置。内羽根は羽根部分が甲と一体化しており、外羽根よりもフォーマルなので冠婚葬祭にも最適です。上品で落ち着きがあり、エレガントな印象を与える革靴の代表格。
ストレートチップ×外羽根

ストレートチップ×外羽根の組み合わせは、内羽根との組み合わせよりもややカジュアルな印象。ミリタリーにルーツを持つ外羽根は本来カジュアル仕様なのですが、ストレートチップとの組み合わせなら幅広いシーンで活用できます。
外羽根は羽根部分が大きく開くので足入れがしやすく、固定されている部分が多い内羽根に比べて構造上フィット感が得られやすいという特徴があります。結婚式に着用しても失礼ではありませんが、フォーマルさを求められるシーンでは内羽根を選ぶ方が無難。
ストレートチップ×モンクストラップ

ストレートチップのつま先とモンクストラップの甲デザインの組み合わせ。モンクストラップはベルト&バックルがついた甲のデザインを指す言葉ですが、このデザインのシューズ全体を指す言葉としても使われることがあるので、この組み合わせはややこしいかもしれません。
エレガントな雰囲気があり結婚式でも着用できますが、金属パーツがあるため葬祭では着用NGです。
装飾入りの革靴はフォーマルOK?

革靴の中には、パンチングで開けられた穴飾りの装飾が施されたものもあります。装飾が施された部分の面積や部位によって呼び方が変わりますが、装飾部分の面積が増えるほどカジュアル度は上がっていきます。
葬祭においては穴飾りが入ったものはNG。つま先の切り替え部分にのみ穴飾りを加えた「パンチドキャップトゥ」は結婚式で着用OKですが、つま先部分や羽根周りにも装飾が施されたものは着用できません。
迷ったら「内羽根ストレートチップ」を手に入れよう
ストレートチップとひと口に言っても甲のデザインや装飾との組み合わせによっていくつかの種類があることはおわかりいただけたと思います。それぞれの種類に合ったシチュエーションを表にまとめると、以下のようになります。

表を見てわかる通り、どのタイプを買うか迷った時におすすめなのは、ビジネスから冠婚葬祭までカバーできる「ストレート×内羽根」タイプです。カジュアルなスタイリングに合わせるにはやや堅苦しい印象があるものの、大人男性が一足は持っていたい万能シューズと言えるでしょう。
ストレートチップのおすすめモデル5選
ストレートチップの基本的な知識が得られたところで、おすすめモデルをご紹介します。実際の靴選びの参考にしてみてくださいね。
おすすめモデル①フィット感抜群の人気モデル【QueenClassico ストレートチップ(キャップトゥ) ブラック】

妥協のない品質とデザインに定評のある「Queen Classico(クインクラシコ)」の大人気モデル。デザイン性が高いシルエットに反して履くとフィット感が良く、クインクラシコファンから多くの支持を受けているモデルです。
アッパーには滑らかな質感のレザーを採用。ソールには特性樹脂を使用し、強度と軽さを両立しています。木型(ラスト)はエレガントな印象のセミロングノーズ、スクエアトゥ。
アンティーク調のムラ感のある加工が美しく、取り入れるだけで足元が華やかな印象に。大切なフォーマルシーンはもちろん、ワンランク上のビジネスシーンを演出したい方にもおすすめです。
おすすめモデル②パティーヌ仕上げ・純国産なのにコスパ抜群!【QueenClassico ストレートチップ キャップトゥ】

こちらも「Queen Classico(クインクラシコ)」から、純国産・高コスパの内羽根式ストレートチップをご紹介。
アッパーには何度も色を重ね塗りして完成させる技法“パティーヌ”を施し、深みのある仕上がりに。つま先のなだらかなシルエットが、木型(ラスト)の美しさを際立たせています。
製法はマッケイ式を使用する事で底材の交換が可能なので、修理をしながら長く愛用できるのも嬉しいポイント。フォーマルシーンにおすすめの一足です。
おすすめモデル③履き良さを極める縫い靴製法として定評のある 「グッドイヤーウエルト製法」の撥水モデル【FUGASHIN MINAZUKI】

履き良さを極める縫い靴製法として定評のある「グッドイヤーウエルト製法」と「ボロネーゼ製法」に、敢えてこだわったブランド「風雅心/FUGASHIN」から撥水仕様のストレートチップをご紹介
天候を選べない冠婚葬祭の場などに特に最適な黒のストレートチップです。甲革にはワインハイマー社製の高級撥水レザーを使用し、抜群の撥水性と靴磨きの楽しさを両立。レザー・ラバー併用の「オリジナルマルチソール」で雨天を気にせず、しかも軽快に歩けます。底付けはもちろん、堅牢なグッドイヤーウェルト製法です。
おすすめモデル④伝統的かつ自然なディテールや先進的素材を使用した国産ブランド【AristoPrimo Suede Balmoral Cap Toe】

伝統的かつ自然なディテールや先進的素材を使用し、日本製「MADE IN JAPAN」にこだわった 「AristoPrimo(アリストプリモ)」から、スエードタイプの内羽根ストレートチップをご紹介。
しなやかなスエード生地で足馴染みも早くフィット感が高い一足。ライニングはソフトで通気性の良い上質なニット素材を採用。ソールは軽くて耐摩耗性に優れたオリジナルソールを搭載し、足あたりと快適性を重視した快適仕様す。ビジネスからカジュアルまで活躍するスエード素材のストレートチップです。
おすすめモデル⑤イギリスが生んだ最高峰の革靴【Crockett&Jones AUDLEY】

1879年にロンドンで靴メーカー専門店として創業した「Crockett&Jones(クロケットアンドジョーンズ)」から、内羽根ストレートチップ「 AUDLEY オードリー」をご紹介。
クロケット&ジョーンズらしさを最も体現した同社の代表モデルであり、最高峰の技術力を結集して仕上げるフラッグシップ「ハンドグレードライン」モデル。熟練職人の手仕事によって1足1足ハンドカラーリングされ、さらにハンドフィニッシュによって磨き仕上げられます。その革は、履き込む事で色に深みと独特な光沢が増し、足を包み込むようなフィット感を生み出します。
オーソドックスなデザインだからこそ「ハンドグレードライン」らしい上質なクオリティをより感じていただけます。まさに「一生もの」と呼ばれる珠玉の逸品です。
革靴の基本は「内羽根ストレートチップ」から
ストレートチップは大人男性であれば一足は揃えておきたい革靴の代表選手。何となくフォーマルな革靴という印象だった「ストレートチップ」がどのような靴なのか、おわかりいただけたかと思います。
革靴のTPOは、最終的につま先のデザインと甲のデザイン、装飾の組み合わせによって決まります。まずはどんなシーンにも活用できる「黒の内羽根ストレートチップ」を基本に、少しずつバリエーションを増やしていってみてはいかがでしょうか。